-被災地のほうでは一週間、二週間、一ヶ月と経過する中で必要なモノも変わっていったと思うのですが、山田さんのほうで高橋尚子さんのスマイルアフリカプロジェクトに呼びかけ靴を支援して頂くなど、随時、コーディネイトされていたようですね。-
そうですね、最初の一週間は生きるか死ぬかという状況でしたが、日数も経過すると、ガソリンや自転車、車が欲しいなどニーズも変わってきていました。その中でシューズがかなり不足した状況でしたので、高橋尚子さんに呼びかけました。彼女は「スマイルアフリカプロジェクト」のフロントランナーで、アフリカの子供たちへシューズを何千足と送り届けていらっしゃるんです。早速、手紙と企画内容を書いて送ったら、トータル約1500足のシューズを分けて頂くことができました。
又、京都で古い自転車を修理して被災地に送ろうとしている団体の情報を聞き、連絡をしてみると、「送る手段がなくて困っている」という状況でしたので、その輸送や配布の手配をこちらでコーディネートしました。
それらの過程で、一人で動くだけでなく、必要に応じて他の支援者と組むことで、より多くの物を早く届けることができると感じ、救援支援のアレンジのほうにも回り始めました。その大きなツールはブログとツイッターでの情報発信です。「ストーブが足りない」とツイートすると、翌日には個人だけでなく、企業さんからの反応があり翌々日にはもう届いた。それをすぐにお届けできる状況にもなりました。幼稚園や保育園にも、ヨーグルトなど現地で確保が困難な食料をお届けしました。他にも被災した方が商売に必要な道具類を集めて、自立して事業が再開できるような支援も行っています。
避難所で行っているのが「心と身体のケア」ですね。精神的なショックに加え、運動不足で血液の循環も悪くなり、血栓も増えエコノミー症候群も増えています。そういった方々の心と体を癒すマッサージ師やメイクアップアーティストとも一緒に行動しています。そうした目に見えない部分も含め、アレンジ・サポートを、今も行っています。
-まさにピンポイントの支援・サポートですね。送る側支援する側にとっても、自分の送ったものがどこのどのような人々に届けられどのような届けられるかが気になるところです。-
被災地の様子や活動報告などを、ブログで随時、公表更新しているので、送ったものがどこに届けられたがわかります。そうすれば「次も支援がしたい」と思って頂けますし、より長い目で被災地を見てもらえます。実際にそうした交流の中でなじみの方も増えまして、アドバイスも頂けるようになってきて、心強い限りです。ある意味、この方法が功を奏したのだといえます。
-支援者もブログで状況を確認できれば、もっと送りたくなるという相乗効果がありますよね。山田さんと永嶋さん(写真家/バイオディーゼルアドベンチャー スタッフ)は、毎日の支援活動を朝から晩迄続けた後に、情報をまとめブログを執筆されていまして、寝れない日々が続いていたかと思います。-
被災地での支援活動を終えて帰ってくるのは24時ぐらい。そこからメールのチェックやブログUP作業を行い、深夜に寝て、朝起きてまた被災地に向かう。とくに始めの1か月はそういった多忙な日が続いたこともありました。震災からしばらくは携帯電話がなかなか繋がらない状況だったので、帰ってから連絡を行わなければならず、寝る時間もお風呂に入る時間も大変でしたね。着るものも毎日同じものばかりで…。
それでも集中して作業ができたのは、現在まで泊めて頂いている自然農家さん「しょうちゃんのやえはた自然農園」のファミリーのお陰です。「食事と寝る場所を協力するから頑張って」と、後方支援で役に立てればということをおっしゃってくださったんです。そういう温かい支援が無ければ、今のような支援活動はできませんでした。