YOGA MUSIC [AIRCHTEX] インタビュー



今回は4月に待望の1st Album[ Re tune ]をリリースしたばかりのAIRCHITEX。TYG代表chama氏とのコラボレーションをきっかけに想像された空気(AIR)建築(Architecture)の実験的(Experiment)作品だ。
今回は、そのメンバーの2名である清水博志さんと津山寿文さんにインタビューし、従来のYOGA音楽にはなかった都市で暮らし呼吸しているからこそ生まれたヨガミュージックをクリエイションした経緯や今後の活動について聞いてみました。


ーYOGA MUSICを始めた経緯を聞かせてください。ー


A: 津山
元々自分自身でYOGAをやったり、音楽を聞いてリラクゼーションを集中的にしたり、自分自身が音でRelaxするという環境をとても求めていたというのがあります。
YOGAをやっていく中で知り合ったTYG代表のchamaさんとは、数年前からいつか一緒に何か出来れば良いねという話だけはしてたのですが、2011年に東京ミッドタウンで大きなYOGAのチャリティイベントがあるので一緒にやりませんか?とお声掛け頂いてたのが、きっかけです。
その時に僕から声をかけたのが、ここ数年、一緒に音楽を演奏する機会が多かった、清水博志さん。
その時はまだ、UNIT名もなかったのですが、そこが一番始まりかなと思います。
実際にやってみて、想像以上に、はまったというか、実際にYOGAをなさっている方々は多分そんなに音楽について造詣が深い訳ではない方が多数だと思うのですが、いわゆるAmbientという言葉をしらなくても、「YOGA」というキーワードを当てはめるだけで、とても可能性が広がるなと感じました。
元々リラクゼーションの為の音楽としての「Ambient music」は、昔から存在していましたが、一般的に認知されているとは、まだまだ言い難いです。ただ、実際に演奏してみて、YOGAをしている方々がそういった音や環境を求めているのは強く感じたので、あえて「YOGA music」として、今回のアルバムを作ろうと思ったというのが、大きな経緯になります。


A: 清水
自分は単純にyoga music といってしまうのにはチョット抵抗があるんですね。
実は、ヨガに音楽が必要なのか?とどこかでずっと思っていますw。
環境によってその場所にしかない特有の音があると思うんです。
そういうものを自分は愛おしいと思うしそれが一番大事だとも思うんです。ポーズをとるために集中したり体を意識する、心を、耳を澄ます、という行為が結果的に気持ちよさを生み出すわけですが、その過程になにか意図的な要素は
なるべくない方がいいんじゃないか、というのが基本的考えです。
各自がアサナをする時それぞれが集中できたりリラックスできる空間なりがあればいいんですが人それぞれ好みの違いも気分もあるので、万人に気持ち良さとはこうあるべきだとは言えないと思うんです。
だからもし音楽が必要だと感じたらそれぞれが良いと思うもの選べばいいと思うんです。
それがテックハウスだろうがデスメタルだろうが演歌でもいいと思うんです。
ただ大勢が集まってヨガをやる時(例えばパークヨガなどのイベントなどでは)広い会場で散漫になりがちな感覚を、
大きく包む全体の空気感とか、一体感を作り「場」を調整する、というようなことにおいて「音」はとても効果的だというのは経験してみて確かな実感としてあったので。その事自体に興味を持ったというのがあります。
だからまず個人的に“気持ちのいい音”とは何か?ということをじっくり考えてみたかったというのも動機としてありました。やはり昨年何度かチャマさんとコラボレーションした時の体験は大きくて、その感触を作品化できないかというところでは津山君とは経験を通して具体的にヴィジョンが共有できている実感があったので、あらためて「ヨガミュージック」を作ろう、というよりはセッションの体験を通じて得たイメージを落とし込むという流れは自然で、音楽からヨガへの一つのアプローチとして、実験をしてみよう、という感じで始まりました。ちょうどそのころ 周波数が体に与える影響とかDNAを修復する444HZ、とかに興味があったし、airchtexというユニット名もCD制作中に空気 建築 実験という言葉を組み合わせて作りました。



ー従来のYOGA 音楽と異なる点、こだわっている点は?ー

A:津山
従来のものとの比較はあまりしていませんが、chamaさんと話している中で意識したのは、我々が東京という都市に住んでいるという事。
東京からYOGAというToolを発信しているという事は意識しました。
音楽はもちろんなのですが、文章であったり、絵であったり。それこそ、性格であったり言動であったり。
暮らしている土地のリズムによって、全てが変わってくると思っています。
僕も清水さんも同じ東京で暮らしていますし、chamaさん自体も TOKYO YOGA.com という名称を使っています。
うまくは言えないのですが、東京らしさというのが、どこかで出ているのではないかなと思います。


A:清水
ヨガミュージックをそれほど聴いたことがないんです。
少なくとも今まで聴いた何十枚かのヨガ音楽?CDの中に気に入ったものはなかったです。
従来のYOGA音楽として一括りにして比較することはできませんが我々の“ヨガミュージック”は ”それほど” ヨガを意識してないということですかね。一寸矛盾した感じですが..。
ヨガミュージックを意識しすぎて結果的に表現の自由度とか強度がなくならないようにということも考えました。
誘導するよりは環境に混じり合う音を意識しています。
都会の中の音が混じり合ったときにも全体が聴こえた時にサウンディングする音像を目指しているので津山君が言うように東京で作ったという色合いは十分に反映していると思います。
ヨガマット持って行ってスタジオ行ってというのだけがヨガではないように、日常の中にすべては含まれてあると思うんです。実際に自分もヨガをやるといつもやってよかったなと感じるし、その体感から得た知恵は日常のいろんな場面で役に立ちます。そんな風に仕事中や生活空間の中にも存在できる音がいいなと思って作っています。
だから僕たちがヨガからインスパイアーされてヨガをしている人に向けて音を作るということは、
日常を生きるすべての人に向けた表現であると言えます。
そういう意味では特定の人(ヨギーニ)に向けたヨガミュージックというカテゴリーは特に意識していませんでした。
あとはヨガの知恵に対する感謝とかオマージュ的な作品でもあると思います。


ー実際のYOGA ライブセッション時に感じることは?ー


A:清水
リアクションという意味ではロックやダンスミュージックなどとは違ってダイレクトに視覚では捉えられないですからねw。繊細なやり取りですね。アトモスフィアーとのコントロールというか、こちらが主観的に表現するというのではなく逆にインストラクターやヨガをする人たちの呼吸やテンポ、全体的な空気感とかから音を選んだり置く場所を教えてもらっているような感覚さえありますね。
山や海や気持ち居場所で聴いている自然音って完璧じゃないですか。
でもそれってヒットソングみたいに音だけ思い出したりしないですよね。空間と一体化して記憶されてると思うんですよ。そういうものでいいと思っているんです、限りなくそれに近いもので。でも必ずどこかに残っている、細胞の中に。
鳥の声を聞くとほとんどの人が安らぎを覚えるというのは太古から人類がずっと聴いてきた音だから遺伝子に組み込まれているからだと云うんです。本当の鳥の声にはかなわないけれども。五感を通して奥の方に届けるというかそんなイメージで演奏しています。
結果「音楽演奏してたんですね」位のことを言われて嬉しいというw


A:津山
実際にYOGAライブセッションを初めて行う前に、入念に打ち合わせを行いました。
単なるBGMではなくて、YOGAと音が共存できる「場」を作りたかったので。
chamaさんが、CDのレビューで「音楽でお客さんをもっていかない事を徹底していた」と書いてくれましたが、まさにそれが、やりたかった事。ライブハウス等で行われる音楽は、とにかく音でお客さんをどんどん引っ張って行かないといけない。ただ、間違ってしまうと一方通行になってしまいがちです。
僕達のライブセッションでは、とにかくYOGAをしているお客さんの空気を見ながら即興で合わせていきます。
基本は全て「YOGA」の中で多少音でアジャストしてあげるというか、少し気が紛れそうになるのを戻してあげたり、フォーカスを合わせやすくなったりという事が目的でした。実際にやってみて、何人かの方々が、「とても気持ちよかった」「いつもより集中しやすかった」などの意見をもらう事が多かったので、試みとしては間違っていなかったんだなと、今は感じています。


ー今後の展開は?ー


A:清水
空間、音環境も含めて。感覚を開くことと繋がっていることの認知を追求していきたいです。
ヨガのみ、音楽のみ、でおこなうよりも連携することでいろんな環境にアクセスできると思うので、とにかくいろいろなシチュエーションで体験してみたいと思っています。


A:津山
今後の展開として、昨年度から引き続き、GWに東京ミッドタウンで行われる4月29日のYOGA AID。5月5日に行われるParkYOGAで、AIRCHITEXとして出演します。

http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/feature2012/5th/park_yoga.html

「YOGA music」という言葉は、そこまで意識していませんが、YOGAをやっている方は、ほとんどの方が「リラクゼーション」というものを、強く求めている方が多いのではないか?と思います。
YOGAはもちろんですが、音を聞くだけでもRelaxできるし、YOGAをしながら、音を聞いても良いと思う。
我々はYOGAインストラクターではないですし、1ミュージシャンなので、YOGAと音が同居する場所の中で、結果的に、皆さんが、音が心身に与える影響を感じ取ってほしいなと常日頃思っています。
結果的にアルバムのタイトルにもなっていますが、音を聞いてくれた方が「Retune」→再調律できるような場を音によって作ることができたらと思っています。


ーAIRCHITEXのお二人、ありがとうございましたー




====================================================================


[AIRCHTEX information]


① 1st Album[ Re tune ] 発売中!
〔都市環境における自然との共存〕と〔機構、心体の再調律〕をテーマに製作された、東京発43分のアースアンビエントミュージック。ちなみに筆者もCDのライナーノートに一筆書かせていただいております。
下記より視聴、購入可能です。是非!
http://nu-life.jp/?p=2552





② 出演イベント情報
毎年GW期間内に開催され、毎朝数百名で賑わう東京ミッドタウンの春の恒例イベント Park YOGAに今年も出演します。 詳細は以下です。
▷4月29日 「YOGA AID」 ▷5月5日  「Park YOGA」 
[詳細]http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/feature2012/5th/park_yoga.html