Shunro_Yoshida


自然エネルギーシフト!
トランジション電力が動き出した

ー今力を入れていること、今後展開したいきたいことはありますか?

今、世界のトランジション活動を紹介するDVDもつくっていて、6月中旬に日本語版が出来ます。各国の成功と失敗の事例をストーリーだてて70分ぐらいの映像にしています。
イギリスで地域通貨が街の流通を変えた話し、ピッツバーグのギャングばかりはびこるスラム街で、ある青年が、空き家を貸してもらって素敵なガーデンをつくり市民に好きなだけ採っていいよと開放したら、子供たちも手伝うようになって街が明るく変化したとか、市民が支えるパン屋が生まれたりとか、いろんな具体例が収録されています。
それから、今、自家発電の動きが各トランジションタウンであって、そこをつなげるトランジション電力というFBページとMLをつくりました。結局呼びかけたら3日で80人ぐらいが参加したいといってきました。
皆、自分の暮らしを変えていきたい、エネルギーシフトしていきたいという人ばかり。進んでいる人は、それを事業というか、多少お金が回って持続可能な生活に進展させるべく動いています。九州、長野をはじめ全国から参加しています。
とにかく、情報をタダで共有してその方法は皆いいところを真似して実現していこうとしています。独りの情報だけではなかなか進まないので、まず動き始めないと分からない!というスタンスではじめています。自然エネルギーの専門家はいっぱいいますが、実際に動いて失敗を繰り返したほうが情報が蓄積できるから。

ー参考になるドイツの映像があるようですね。

このドイツ映画「シェーナウの想い」(注17)も、どんどん自主上映やっていきます。
「自然エネルギー社会を子どもたちに」の思いを実現するべく、ドイツ史上初の「市民の市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでの10年の軌跡を綴るドキュメンタリーです。6月3日の環境フェスタでも上映します。
電力の事業化では、いろんな形があります。例えば、葉山だと太陽光パネルの普及率が低いんですよね。それを促進させるプログラムだって在ると思うし、それは東京電力とつながってしまうけど、それはそれでいい。要は、それぞれのアイディアでファンディングしてそれをやるとか。事業者に持ちかけて設置してもらって売電した分を戻すとか。みんなの情報を共有して自分がやりたいことをそこから選んで。

ーまず知らないという問題からクリアしたいですもんね。

そう、どんなメニューがあるかを知らない。情報共有することで、それぞれの地域に有効なものをチョイスできる。全部を自給しなくてもいいわけですから、部分的に取入れるにはどうしたらいいのかとか。
まずは、エネルギー削減のアドバイスをして実際にコストを下げて、部分的でも自然エネルギーにシフトすると。
太陽光パネルが投資した分、元が取れるのが15年20年かかってしまうというのは、今と同じ消費力を求めるからですよね。家は50万ちょっとで設置できたんです。ひとつは今までの経済優先の考えにとらわれている。今のライフスタイルを変えるというのは深いのだけど、得だからやるのではなく気持ちいいからやる気持ちいいから続くわけですよね。その部分が大事。
昔からあった「もやい」という仕組みで、よく飲み会なんかじゃお金集めてやるわけですけど、そのノリで太陽光パネルをつけてしまえばいいわけですよ、極端にいうと。独りでやるとようやく10ヶ月でできるものが、コミュニティでやればすぐできる。次にコミュニティができるようになったら、周りにそのノウハウを薦めていく。
まずは、自分の生活を変えるところから始める。次に人。ノウハウをみんなで共有し、蓄積する。

ー俊郎さんのfacebookみてると自分とやりたくなりますからね。

考えるようになるのが面白いんですよね。冷蔵庫がなかったらどうやって冷やそうかとか。
だんだん、そういう技術を持っている人知恵をもってる人が増えているので、共有したものをひとつの形にして推進することが必要ですね。

ーシェアという考え方が、ますます重要になってきますね。

そうしたから阿蘇の家も進んだんですよね。そういう意味でトランジションのネットワークは情報量が結構あるのでつながりやすい。ひとつの地域で留まるのではなく全国規模で、今、人の交流もあるし面白いですね。

ありがとうございました!!


Photo by Shunro Yoshida





- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 

(注17):チェルノブイリ原発事故のあと、ドイツにあるシェーナウ村の一部の住人達は 電力を市民に取り戻そうと考えました。住民投票を経て、電力会社をつくるまでに至ったシェーナウ村市民の記録を撮ったドキュメンタリー。





=============================================================================


吉田俊郎 Shunro Yoshida
トランジションジャパン 代表

外資系医療機器会社を退社しパーマカルチャーを学び、2008年にトランジション・タウンを知り、2009年に仲間とNPO法人トランジション・ジャパンを立ち上げる。自然農による米、野菜作りをする農的な暮らしをし、南阿蘇に半セフルビルドの日本伝統建築と自然建築の家を建てている最中でそこはオフグリッドで循環型な生活ができる居住となる構想。一方自然と共生した地域の人達とつながりながら持続可能な地域作りを目指すトランジション運動を全国に広める活動をしつつ、南阿蘇、葉山でトランジションの活動を展開中。現在は南阿蘇でオフグリッドで生活できる家を建築中。1/4セルフビルドで、ゲストハウスも作る予定。2012年1月から家のエネルギー自給スタートしオフグリッドへスタートをきる。
1988年〜2002 年ジョンソン&ジョンソン(株)勤務
2002年〜2008年セント・ジュード・メディカル(株)勤務
2008年〜NPO法人トランジション・ジャパン共同創設
2008年10月〜トランジション葉山共同創設

◆トランジション・ジャパン公式ブログサイト http://transitionjapan.cocolog-nifty.com/






=================================================================================