事業化を視野に入れることで長く持続可能にできる
ー阿蘇というと広大な山ですよね。間伐材の有効利用も考えていたりしますか?
山を整備し間伐材を自分の生活に取入れたいです。薪のビジネスやったらいいかなとも思ってます。
ー障害は何なのでしょう?
結局、それを商売にすると人件費が出ないですよ。要するに市場価格と並べた時に、海外の木材のほうが安く手に入るわけで、切っても運び出せない。
今、共同で管理する方法を話しています。まず山を整備し広葉樹を増やし、その薪をうまくビジネスに繋げたいと思っています。
例えば、温泉なんかも高温にするために重油を燃やしているところが多い。それを薪で燃やすシステムに変更すればコストが落ちる。そうすると雇用が生まれ山が整備され自然が保たれる。このパッケージで持ちかけて、そういことを理解してくれる温泉と組めば先が見えてくるのかなと思っています。
山は、日本が所有する最も豊かな資源のひとつ。でも手つかずで整備が追いつかず問題になっていて、そこをうまくシステムをつくっていければ、水資源も保たれるわけです。ヨーロッパよりも自然が多いんだから。それがうまく回っていないだけで、可能性はいっぱいある。
始めは小さく地道に始めたとしても事業化を視野に入れることで長く持続可能にできる。
今、藤野も阿蘇も森部が出来ています。みんなチェーンソーもってうろうろしています(笑)。
ー薪を使っている温泉はやはり少ないんですか?
いくつかあるみたいで、もっと調査しないと。重油はとにかく、これ以上安くならないですからね。実は山梨のほうで、それを導入することで安くなった事例もあるんですよ。
美味しいからガスを止めました
ー薪でしか味わえないよさが味わえれば広がるはずですよね。
いや、僕も頭では理解しているつもりでも、実際自分で薪燃やしてつくった料理を食べると、やっぱり美味しいわけですよ。白菜と昆布だけを入れた鍋をつくったら、めちゃくちゃ美味しかったんですよね。水もいつも運んでるんですけど、阿蘇の山の水を、こっち(葉山)に持ってきてガスで食べたら、やっぱ違う。材料一緒なのに甘みがない。味が出てないんですよね。
ガスを導入しようと思っていたんですけど、あまりにも薪がいいので止めました。南米式の薪だけのキッチンコンロです。近くに輸入してる人がいたのでお願いしました。
ー僕も使ったことありますが爽快感が違いますよね。元気になります。
ヨーロッパでは使っている人多いです。チリなんかは、ほぼその薪コンロです。あとは、ロケットストーブをキッチンに組み込んじゃおうかと。壁にシステム組んで配管をして煙を外に出せるような仕組み。これもまた熱効率高いですからね。
玄米炊くにも薪ストーブでやると結構な薪を使うんですよ。10倍くらい。部屋暖まりますけどね。だからロケットストーブで、炎が上がらないようにうまく空気調整してやれば、効率だけでなく丁度よく炊きあがるんです。
Photo by Shunro Yoshida