KENTARO

4、ダンスが面白いということを伝えたい



ー海外公演もしてますね?

ヨーロッパやアジアに2、3年前から行ってますね。

ーリアクションは?

日本と比べて、やっぱり受けが露骨ですね。拍手も多い。
だけど、(拍手が多いからといって)凄いのかっていうと、どうなのかなあと疑問に感じます。皆に対して、そういうリアクションなんじゃないかって。
人種的な特徴のようなもので、凄い拍手があっても、きっと受けてないだろうなという時が結構あって(笑)。日本の場合は、その反応が素直なんで、逆に信用おけます。

ー(作品とか活動全般を見て) 日本を意識してる気がします。
そういえば、ロングラン公演をやりましたよね。ダンスじゃあまりないけど。

ダンスの場合、ロングランぐらいやらないと集客しにくいのが現実。ダンスをとりあげる媒体自体が少ないので、コンテンポラリーダンスなんて本当に観に行く人が限られています。
ロングランをやると、単純に、観に来れる可能性が高くなります。リピーターもいるし。客層も色々になる。それに、今後、カンパニーやソロ公演の客層にもなってくるんです。
今は、劇場を離れてロングランとライブハウスみたいな小さいところでやっていくことを少し考えています。

ー アート自体もマイノリティで、さらにダンスとなると残念ながら客層が限られますよね。

日本のほうがカルチャーとして面白いと思うけど、集客できないという現象は「ダンスが面白い!」ということを多角的に本気で伝える作業が必要。
コンテンポラリーダンスは横のつながりがめちゃくちゃ浅い。みんな仲はいいけど、合同で何かをやろうというのはないですね。あっても小さい。かといって、縦もあんまりない。
20代で集客できる振付家が2、3人出てくれば、変わってくると思うんで、そこは期待してます。

ー踊りと弾き語りが融合したイベントを開催したようですね。どうでしたか?

踊りと演劇のクロスオーバーとかはよくありますが、音楽の人にも踊りをちゃんと見てもらいたいということで始めました。もともと音楽が一番好きなんで。
好きな音楽を聴きたいなってことがイベント開催につながっています。僕らも踊ったんですが、それをやることではじめて音楽の人にも僕らのダンスを理解してもらえるかなと。
弾き語りと踊りを並べた時に、不思議と踊りの見え方が変わったんですよね。
逆に音の見え方も変わって、唄ー唄ー休憩ーダンスー唄 というプログラムにしたんですけど、全体がフラットないい感じになりましたね。
(つまらない人もいたかもしれませんが)いい雰囲気でした。歌ってる人がお客さんに話しかけたりしないと出てこない雰囲気でした。言葉っていうのは大事ですね。
すごく僕は普遍的な匂いがして気持ちよかったんですけど、逆に言われたのは、アートの人からは、普遍的すぎて逆に実験的で面白かったといわれました。
(歌のイベントなのに)歌わないで、同列に見せたことが面白かったようです。

ー 継続的にやっていくわけですか?

定期的ではないですが、僕が忙しくないときに、是非やっていきたいですね。
呼びたいアーティストが結構いるので出演者ありきで開催しようかなと。
これを叩き台としてバンドと一緒にライブハウスでやったりとか、バンドと対バンみたいにして、違う客層に踊りを見てもらいたいというのはありますね。