「受け入れ続けることーフロントマンとしての自覚ー」
ー 夏が終わるとどっと来るんじゃないですか
来ますね。9~11月はのんびりしています。同時に今年のオアシスを記録・復習してます
みんなの場所OASISに、僕は食わせてもらっているわけで、客とスタッフの愛情で僕が成立しているわけだから、その分OASISを整え、次に続けることに責任を感じます。皆には感謝しています、本当に。
そうはいっても、無責任な唄うたいでいたいところもある。笑。OASISの宴会では、ずっとボーカル担当でした。Ajaが昔「マサカズが歌うと、人が歓ぶから、続ける方がいい」とアドバイスを受けて(笑)。またAjaが、音楽にはフロントかバックのプレイしかなくて、フロントでいるときは音を外そうがなんだろうが構わない。でも中途半端で引いちゃあ絶対いけないと勇気づけられ、その教えを守り、意地でもやめない(笑)。
ただ同時に、他の音がしっかり聞こえてなきゃいけない。ミュージシャンは、まず聴くことが大事とも教えられましたけれど。
ー OASISの運営にも通じることなんでしょうね。
ほとんどの人は、ミーティングとかでも人の言葉を理解していない。よく聞くと、大事なことを言っていることが解る。
しかし、聴き続けるのも大変ですよね。僕は、聞かないとも時にいわれる。制作としては話し合いの段階では、みんなの話をできるだけ聞くけど、これでできる!という形が浮かんで、そのためのフレームやストーリーが出来上がったら、あとは、ひたすらまっしぐらでしょ(笑)その段階でも、自在に聴き、対応することができたら、達人レベルだなと思いますけれどね。
ー 30年続けてこられた秘訣とは?
根っこにあるのが、カルチャーやコミュニティへの意志で、”まずビジネス”じゃないからでしょうね。僕らは演奏家や絵描きたちがコアにいて、レゲエや旅を通じてルーツとか、オーガニックとかをキーワードにしながら関係を深くしたグループです。続けて行く中でそれが、家族的なコミュニティに成長し、今では地域や演奏家達に広く開いても変わらない質を維持し存続している。
このクリエーションがベースのコミュニティでは、勝手に出来てくる新しい関係が、代謝しながら、いつも全体をリデザインし、支えてるんだと観ています。ひとつのチームが去っても、補完する次が潜在的にあって、そっちに注目すれば全体は成立していることが解るというか。
既存の組織は役割やコンセプトを決めて成り立つのだけど、コミュニティは多少違うっつーか。今年は特に、1992~2002年を共にしたメンバーの半分近くが、放射能の恐れから葉山地域を去りました。でも残りの仲間と新しい世代が上手く支えてくれて。
ただ関係性の変化をいつも受け入れる心構えは大事です。時に自分の立場が変わってしまうこともあって、拒否したくなっても、リラックスして現場を呼吸を続けていれば、だんだん楽になって、新しい役割がわかって来る。僕も再三、経験あります。バンドをやってて、凄い新人が入ってきて自分のパートが変わってどうしよう?みたいな話ですよ。
この世界や時代に対しての自分の役割にも同じようなことが言えてて、変化を拒否し目を瞑る、耳を閉ざすのではなく、目をあけ耳をすまし、呼吸し続けるところから明日が開けるわけでしょー。