issue-001. YOGA is LIFESTYLE ?



4月30日8:30
早朝の東京ミッドタウン芝生広場にはカラフルなヨガマットが所狭しと芝が隠してしまうほど並び、同じく色とりどりのウエアを来て穏やかな天候でストレッチしている650人もの人々で溢れかえっていた。いつもと変わらず屹立するミッドタウンのビルとのコントラスト。
「ここはドコ?この人たちは何?」    

何も知らず通りかかった人にとっては、朝もはよからのこの状況は、”呆気”でしかない。
ここは、東京のど真ん中六本木。今はかげりを見せたものの眠らない街からは朝に帰宅する人も多い中、逆行するように朝から六本木に集ういろんな国籍の”健康な”人々。
暖かかったせいもあるが、ここには透き通った空気と呼吸で満ちていた。


オープニング
オーガナイザーのクライドメイヒューさんから講師陣の紹介。勿論、講師もイタリア、アメリカ、そして日本でも沖縄からと例に漏れず多国籍軍だ。
紹介が終わり、メイヒューさんの挨拶。今回の大きな目的は、東日本大震災の支援。1週間前から日本に滞在し被災地を訪問、復興に向けて力強く立ち上がる被災地の人々の姿を見て心が打たれたというメイヒューさん。話の途中で思わず心を詰まらせる瞬間もあったが、とにかく、起こってしまったことは仕方ないとし、悲しみも絶望も不安もそのまま受け入れる
心を鎮め安らかにするYOGAの役割を全うしようと伝え話を締めくくった。

650人での合掌。それぞれのいろんな想いを中心におさめていく。
空間がベクトルを一に、ギュッと引き締まった感じがした。

YOGAセッションの開始
650名が何重かの輪をつくり大移動していく。
スタンドバイミーを聞きながら縮こまったからだをじょじょにのばして行く参加者の顔の筋肉も弛みやがて柔和な笑みに変わっていった。

tokyo-yoga chamaさんによるアシュタンガヨガのセッション。今回は、アーティスト津山氏によるライブ演奏とのコラボレーション。参加者の感覚を感じながら、呼吸をコンダクトしそれを感じてプレイに変化を加える津山氏。ピアノをベースにしたしずる感のあるアンビエントが心地よい。からだを含めた空間が一体となってやわらかくとけ込んでいる。終盤、サンスクリット語+英語によるchamaさんのボイスナビゲーションが、さらに柔らかい有機的な空間に残響していく。非常にオーガニックな時間だった。



からだも地面が暖かみを増してくるとともに、セッション内容もだんだんテンポをあげるものに変化していった。
ここから10名の講師によるセッションが続く訳であるが、ひとえにYOGAといっても講師の経験や意識の持ち様によっては多種多様であることを知った。

ダンス的なセッションでは、笑顔と拍手で大盛り上がり。講師も参加者もステージ上にあがり、ここぞとばかりにピョンピョン飛び跳ね、こわばった気を発散していたかと思うと、オーソドックスな内側に集中するYOGAの時間になる。しかし安心もつかの間、16ビートの速いDrum’n Bassの音に合わせて運動するテキパキとしたセッションになったり、日本の古武道とYOGAの要素をミックスさせた気に満ち満ちた要素もあり、、、そしてトリは、ベテラン綿本さんによるメディテイティブな時間。皆、芝生の上に仰向けで目をつぶり脱力して寝た状態のまま、独特の詩的なナビゲーションがそれぞれの内面の時間・空間を探っていく。